フェノール樹脂をマトリックス樹脂に使用した炭素繊維複合材料(CFRP)は耐熱性が高く、300℃でも物性が低下しません。
CFRPは軽量性と強度を兼ね備えており、軽量化の要求や生産効率を追求する移動体輸送機器や産業機械用途での利用拡大が見込まれています。しかし、汎用エポキシ樹脂をベースとしたCFRPは耐熱性に課題があり、顧客の多様なニーズに十分応えることができません。三菱ケミカルのエポキシ樹脂をベースとしたCFRPの耐熱温度は100~200℃ですが、今回開発したフェノール樹脂をベースとした新製品は耐熱性が高く、300℃の高温下でも物性低下を防ぎます。
CFRPは、高熱伝導性、高剛性、軽量といった特性に加え、高い耐熱性も実現しており、これまで解決が難しかったお客様の課題解決に貢献できると期待されています。既に一部のお客様に導入を決定いただいており、今後、航空機、自動車、鉄道、産業分野などへの適用をさらに推進していく予定です。
投稿日時: 2021年6月28日