ガラスマット強化熱可塑性樹脂(GMT)は、熱可塑性樹脂をマトリックスとし、ガラス繊維マットを強化骨格とする、省エネ・軽量化を実現した新しい複合材料です。現在、世界で非常に活発な複合材料であり、その材料開発は世紀の新素材の一つとされています。GMTは、一般的にシート状の半製品を製造し、その後、直接加工して所望の形状の製品に加工することができます。GMTは、複雑な設計特徴、優れた耐衝撃性を備え、組み立てや再加工が容易です。強度と軽量性が高く評価されており、鋼材の代替や質量削減に最適な構造部品となっています。
1. GMT素材の利点
1. 高い比強度:GMTの強度は、手積みポリエステルFRP製品と同等です。密度は1.01~1.19g/cmで、熱硬化性FRP(1.8~2.0g/cm)よりも低いため、比強度が高くなります。
2. 軽量・省エネ:GMT素材を使用した車ドアは、自重を26kgから15kgに軽減し、背面の厚みも軽減できるため、車内スペースを拡大できます。エネルギー消費量は、スチール製品の60~80%、アルミ製品の35~50%に抑えられます。
3. 熱硬化性SMC(シート成形コンパウンド)と比較して、GMT材料は成形サイクルが短く、耐衝撃性に優れ、リサイクル性があり、保管期間が長いなどの利点があります。
4. 耐衝撃性能:GMTの衝撃吸収能力はSMCの2.5~3倍です。衝撃を受けると、SMC、スチール、アルミニウムにはへこみやひび割れが生じますが、GMTは安全です。
5. 高い剛性: GMT には GF 生地が使用されており、時速 10 マイルの衝撃を受けても形状を維持できます。
2. 自動車分野におけるGMT材料の応用
GMTシートは、比強度が高く、軽量部品を製造でき、設計の自由度が高く、衝突エネルギー吸収力が強く、加工性に優れているため、1990年代から海外の自動車業界で広く使用されています。燃費、リサイクル性、加工性に対する要求が高まるにつれて、自動車業界で使用されるGMT材料の市場は着実に成長し続けるでしょう。現在、GMT材料は自動車業界で広く使用されており、主にシートフレーム、バンパー、ダッシュボード、エンジンフード、バッテリーブラケット、ペダル、フロントエンド、フロア、ガード、リアドア、カールーフ、ラゲッジブラケット、サンバイザー、スペアタイヤラックなどの部品に使用されています。
投稿日時: 2021年8月2日